賑やかだったあの街は、すっかり静まりかえってしまった。
今も住んでいる人達には申し訳ないのだけれど、もう、あの街が賑やかになることはないだろう…。
何かとてつもない、「何か」が起きなければ、あの街も、あの村も、もうこのまま静かに落日を迎えるのだろうと、
もはや手遅れなのだと感じた。
これはきっと人にも言えることだ、
ただ、ただ、現状維持は、ゆるやかな下り坂だということに、気がつくべきだ。
私はそれでも、結婚相談という、前向きな、未来を賑やかにする仕事をしていることに誇りを持った。
人が希望を持ってする事に寄り添える、あぁ、なんて幸せな事なんだろうか!
あの街に新しい命が産まれるかもしれない。
あの街が少しだけ若返るかもしれない。
いや、あの街の人達が少しだけ笑顔になるだけでも…。